職業としての作家

作家の印税はだいたい10%〜15%が相場といわれています。
タイムリーなところでは、今回芥川賞をとった田中慎弥の『共喰い』ですが、現在の時点で発行部数20万部です。
印税はおおよそ3000万円、といったところでしょうか。 これを多いとするか少ないとするかは考えようです。

まずこれは年収ではなく、年商です。
少なくとも半分は税金で持って行かれます。

また、これは毎年の収益ではなく、一作品の収益です。
つまり、毎年定期的に入ってくる収入ではありません。

一作品がヒットしても、その後の作品が泣かず飛ばすならば、収入は激減、もしくは限りなく0に近づいてしまいます。

リアルな作家さんというものは、実はものすごく不安定な職業なのです。


ウェブ時代の新しいかたち

印税率が、10%〜15%というのは、本を出版する際には、編集や印刷などのもろもろの関係者がいるため、そこに費用がかかってしまうためです。
つまり、紙の媒体であれば、そこの部分は外せないかもしれません。
しかし、ウェブ時代になった今、編集や印刷などは不必要になります。
テクニカルでは電子書籍の普及などはたやすいのです。しかし、そうすると編集や出版、印刷業者にもうけがまわらなくなります。
ですから、大手の出版社、印刷会社が書籍業を抑えている状況では、電子書籍が普及しようがありません。




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